クラシックカメラの世界|canon EX-EEについて解説
- Mr.KUNIO
- 2020年7月1日
- 読了時間: 5分
更新日:2020年7月3日

皆さんこんにちは。
突然ですが、筆者はカメラ撮影も趣味としています。
主に使用するのはデジタル一眼レフですが、フィルムで撮影するクラシックカメラも2台ほど所有しています。
今回はそのうちの1台であるcanon製【EX-EE】についてのご紹介と、
デジタルとは一味も二味も異なる撮影における楽しさや実際の写真などを掲載していきたいと思います。
目次
canon EX-EEとは
クラシックカメラとデジタルの違い
クラシックカメラの楽しさ
撮影写真について
canon EX-EEとは

Canon EX EEは1969年発売の35ミリ判の一眼レフカメラです。
その主な特徴は2つあります。
1つ目はシャッタースピード優先AEを持っていたこと。
これにより初心者でも手軽に写真撮影が可能になりました。
そのためこの機種のターゲットは普段一眼カメラを使用しない初心者やファミリー層であったようです。
2つ目はカメラ自体に後群レンズを持つためレンズ交換は前群のみで行うという点です。
購入時に付属するレンズであるEX50mm F1.8に加えて、EX35mm F3.5(広角)など計4本のレンズラインナップだったようです。
逆に言うと、このカメラで使用できるのは4本のレンズのみに限定されてしまうと言うことになり、
カメラ好きからすればレンズ交換による拡張性がなく大変つまらないカメラという烙印を押された形になりました。
なぜこのようなことをしたのか ー
明確な情報はありませんが理由としてコストダウンのためだったという説があります。
前途の通り、このEX-EEは普段カメラを使用しない層をターゲットとしていたため、一眼レフカメラ本来の拡張性を犠牲にする代わりに安価に提供することを優先したのかもしれません。
しかし結果的には販売数は伸びませんでした。
平均値をとった製品よりも、何か一部分に尖ったもののほうがユーザから受け入れられる傾向があります。マーケティングではよくある話ですが、いわゆるターゲティングとポジショニングに失敗してしまったのでしょう。
そうして、このシリーズはのちに続くEX-AUTOのみ、2代で生産を終えることとなりました。
<詳細情報>
発売 1969年9月
50㎜ F1.8 レンズ(前群交換式)
絞り F1.8~16
シャッタースピード 500/250/125/60/30/15/8/B
ISO(当時の呼称はASA)感度 ASA12~6400
重量 約1㎏(重い…)

クラシックカメラとデジタルの違い
クラシックカメラとデジタルカメラの違いは、「画面で見ながら撮影できない」これに尽きます。
そんなの当たり前のことでしょ。と思った方、よく考えてみてください。
つまりファインダーで覗いている色合い(特に問題になるのは露出:明るさです)と実際の撮影される写真は異なるということなのです。
したがって画質を決定する3つの要素「F値」「シャッタースピード」「ISO感度」について、
クラシックカメラではそれぞれを適正な露出に保つように自分で調整する必要があるのです。
例えば今日は曇りで明るさがないとなれば、F値を多少開放にする、ISO感度を上げる、シャッタースピードを遅くするなどそれぞれの組み合わせと状況に応じ、撮影画を想像して選ぶ必要があります。この”想像する”ということが、クラシックカメラならではのものであり、デジカメでは絶対にできない経験を与えてくれるのです。
今回紹介しているEX-EEについてはその点、シャッタースピード優先機能が付いているので、自動でF値は調整されます。これはやはり初心者にとっては本当に助かる機能だったのではと思います。
クラシックカメラの楽しさ
クラシックカメラは上記の通り、非常に手が掛かる分「自分で撮影している」という感覚がとても大きいです。車でいえばマニュアル車を運転している感覚に近いものがあるでしょうか。
楽しさをまとめると
(色々考えながら撮るので)撮影自体が楽しい
フィルムならではの風合いのある写真が撮れる
どんな写真が出来上がるか分からないドキドキ感
出来上がった写真がうまくいったときの達成感
なにがだめだったかを反省することも面白い
デジカメがまだない時代「写ルンです」などを学生時代によく使っていましたが、現像するときの何とも言えないドキドキ感がありました。大人になっても同様に楽しいです。
たまに1年くらい撮りためたフィルムなんかがあると、そもそも何を撮っていたか覚えておらず、意外な写真が入っていたりするとこれもまた面白いものです。
今の時代は便利になった反面、このような現像の際のドキドキ感や楽しみが損なわれてしまったと思うことがあります。
現代の若者は写ルンですの楽しさも知らないわけですからね。
大量に撮影し、その中からいいものを選別するという手法ももはや通常になっています。
クラシックカメラでは無駄うちできないという感覚があるからこそ、
1枚の撮影に対する思いは強くなり写真撮影の本来の醍醐味を感じることができます。
これも素晴らしい点だと筆者は思います。
皆さんもクラシックカメラを是非一度手に取って頂き、その楽しさを味わってもらえればうれしいです。
ちなみに、私が購入したEX-EEは秋葉原のジャンクショップにて2000円程度で購入しました。
以外と安いものですよ。
撮影写真について
ピントが合っていない、露出が適正でない(暗すぎる、明るすぎる)などもよくありますがそれも面白いものです。
ここでは一例を載せておきます。


江ノ島・鎌倉での写真 下はの写真は鎌倉駅近くの某レストラン。赤い映り込みはフィルム巻取り時に蓋を誤って開けてしまったため光が入ってしまったことによる。悔やまれるミスである。

駒澤大学駅周辺の某所で撮影 街並みに昭和の古っぽさを感じさせる店が並ぶ。コロナの影響が心配である。

港の見える丘公園の近くにある廃墟 みなとみらい周辺はカメラを持って散歩するのにぴったりである

みなとみらいの観覧車 あえて空の部分を多くとることで空間を演出した。フィルムカメラならではの空の淡い感じが表現できた。

猫にピントを合わせるのは難しい。彼らは常に動き回るからだ。 この写真では鼻にピントが合ってしまった。もう少しF値を上げるべきだったか…。

ある夏の横浜駅の写真 横浜駅は終わらない増改築工事を施している。 クラシックカメラで撮影すると、何気ない景色もどこか古臭いレトロなものに変わる。

武蔵小杉 多摩川の橋で撮影 EX-EE購入当初の撮影のため、いわゆる失敗作である




東部ワールドスクエアにて撮影 どんよりとした曇天での撮影だったが、露出は問題なかった。 カメラ云々よりも東武ワールドスクエアのその作りこみに圧倒される。興味ある方は是非行ってみてください。
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